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私の本 57. 不安症でもだいじょうぶ

2025年4月11日

「不安症でもだいじょうぶ」原井宏明・松原文香著  世の中を生きていくのに「不安でたまらない」と感じる人は多い。そんな人のために、この本は丁寧に解説してあって役だった。不安を感じることで、将来起こりうるトラブルを予期するので、不安は誰でも感じるし、不安は必要なことである。だから不安を感じないようにすることはできない。むしろ不安を感じそれに対処できるようにするのが良い。

治療は薬を飲む事でもあるが、認知行動療法が主体になる。不安になったらそれを真剣に考え、その後で不安事項から頭を切り替えて別のことを考える。その時に感じた心の動き、特にポジティブな考えをノートに記録する。その時敢えて不安事項を考えるのは怖いことであるが、勇気を持ってチャレンジする必要がある。

自分も不安症だったことがある。5年ほど前からいろいろ不安感が頭をよぎり、仕事にも差し支えるようになった。何かトラブルに見舞われると、そのことが頭の中でグルグル回ってしまう。少しでも早くそのトラブルや不安から逃れようと行動してしまう。あまり辛くて臨床心理士のカウンセリングを受けてみたいと思った。電話で予約を取った時、担当の人から「怖いこともありますよ」と言われ予約を取り下げた事がある。それからは、自分で解決策を考えて、徐々に良くなった、あとになって考えてみると、不安は時が解決してくれるし、悪あがきして行動をしたことで却って解決を捻じ曲げてしまうこともあった。5年前に感じた不安は、今は何にも心配なかったことだった。認知行動療法は、専門家にかからなくても、本にいくらでも書いてあるので、当てはまる方はやってみると良い。自分でできる治療法に、不安症をよく理解するための読書も良いそうだ。

私が医院で診察していると、不安症の患者が良く訪れる。医者は患者の言うことをよく聞いてやり、同意だけしていれば良い。押し付けると必ず反発して、却って治療に差し支える。  この間のできごと・・・ 血圧ノイローゼであちこちの医療機関を受診して、最後に私のところに来た。血圧は白衣性高血圧であり、服薬は必要ないことを懇切説明したのだが、どうしても分かってもらえない。困ってしまって最後に私が「本でも・・・」と言いかけたら、突然診察机に突っ伏して泣き出した。「あれほど薬を出してくれといっているのに!」拳を振り上げて訴えた。私があきれて黙っていたら、そのまま帰ってしまった。不安症の患者は難しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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