ゆく河の流れ 33. 夏の月が赤いのは?
2025年7月7日
院長ブログで、赤い月のことを書いたら反響があったので、説明します。
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昼間は太陽光のうち青色が空気中の靄(もや)に反射して、その反射光で空が青く見えます。太陽光は強烈なので太陽は殆ど色を変えません。夏の大気は湿度が高く、靄(もや)や霞(かすみ)つまり haze が多いです。太陽に照らされた月の光は太陽光に比べて弱いので、大気中の haze を通ってきた月の光は赤っぽく見えます。
冬の月は大気が澄んでいるので、夏と比べて青っぽく見えます。反対に、赤い月の典型は月食の月です。地球の大気の中を長い間進んできた太陽光は、地球の大気で青い色が反射(散乱)します。その光に照らされた月は真っ赤です。地球の半影に入った月食の月はカラー写真で撮ると美しいです。
宇宙では真っ黒の空に太陽がぎらぎら光っています。地上では大気が澄んでいるときほど、空は濃い青に見えます。偏光フィルターを通して青い空を撮ると、日光と90度の角度で空が黒くうつります。
なぞなぞ 「月がとっても青いから」と掛けて、「あなたが好きです」と解きます。心は「遠廻りして帰ろう」です。