私の本の読み方 18.一瞬の夏 自由への道
2024年5月11日
「一瞬の夏」上・下 沢木耕太郎 もと東洋ミドル級チャンピオン、カシアス内藤はいったん引退するガ、再起をかけて現在のチャンピオンの韓国の選手と戦う話である。ボクシングには素人の沢木がアシスタントを務める。結果的に、韓国のチャンピオンは戦意が失せてしまい同僚の韓国選手と戦う羽目になる。その試合で内藤は負けてしまうのだが、最終的な敗北感はない。(ネタをばらしてしまいすみません) ボクシング界の諸事情が分かって面白かった。ボクシングの本を読むといつも思うのだが、「俺ならボクシングはやらないなあ」ということである。場合によっては命にかかわるような負け方までしてやりたくない。相撲取りもいやだなあ。立ち合いで頭をごつんとぶつけてまでも、取り組みをするのは嫌だ。子供の頃、濡れた丸石で滑って、転んで頭をぶつけて脳震盪で意識を失ったことがあった。大人になるまでに、何かにぶつけたり転んだりして、頭を打ってくらくら目が回る経験は何度かした。頭を打つのは怖い。 私はあらさがしの好きな性格で、悪いとは思うが一つだけ・・・・ 試合前のキャンプで早朝のゴルフコースでランニングする下り。 「ゴルフ場の高い木立ちの梢(こずえ)でウグイスが鳴いているのが見えた」とある。ウグイスは梢では鳴きません。たいていは小灌木の茂った深い藪の中で鳴くのです。だいたい。鶯はゴルフ場の良いような見通しの良いところにはあまり飛んできません。普段はウグイスは姿を見せません。「声はすれども姿を見せず」です。 唱歌の・・・梅の小枝でウグイスが・・・も嘘です。因みに、日本にいる鳥類の中で一番数が多いのはウグイスだそうです。
「自由への道」 サルトル 実存主義のサルトルが書いた小説である。昭和38年 増補2版発行とあるから姉が読んだらしい。よくこんな面倒な本を買ったものだ。(姉のことだから、おそらく読んだでしょう) 私が読んだのは前半部がなく、いきなり第3部 魂の中の死 題4部 最後の機会(断片) なのだが、この本の前に、第1部、第2部があるらしい。長い上に内容がこんがらがって、読了したが良く分からなかった。主人公はブリュネで高校教師だが召集されて下級兵でドイツと戦う。実際には戦火を交えず仏軍は独軍に敗れ、上官(士官)は車に乗って逃走してしまう。ブリュネはドイツ軍につかまり、ドイツの捕虜収容所に護送される。貨物列車で護送される最中、フランス共産党を除名されたシュネーデル(ヴォカリウス)と一緒に脱走するが独兵に撃たれる。ここで話は終わるが、ブリュネは果たして生き残ったのか、死んだのか分からない。この本を読み終えるのは難行苦行でした。実存主義のことが分からないので、実存主義を紹介した新刊書(それも4,000円もする)を買ったので、もし読了したら紹介します。