徒然なるままに85. 長野盆地北部で発見されたトノサマガエルについて | 市川内科医院のブログ│実験室

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徒然なるままに85. 長野盆地北部で発見されたトノサマガエルについて

2024年10月10日

始めにお断りしておきますが、長野盆地で見かけるトノサマガエルと思われるカエルはトウキョウダルマガエルです。今回、長野県北部の千曲川左岸で私が撮ったトノサマガエルの写真を、愛知教育大学准教授の島田智彦先生がトノサマガエルと同定してくださり、それをレポートにまとめて下さったので、報告します。

基礎的なことを書きます。トノサマガエルは外来種で、1993年に北海道で発見され、その後海岸線伝いに本州を南下しています。トノサナガエルが侵入すると従来の日本由来の(トウキョウ)ダルマガエルは、トノサマガエルに置き換わります。すでに松本盆地ではトノサマガエルに置き換わり、犀川伝いに信州新町辺りまで侵入しています。従来、中野市周辺でトノサマガエルと思っていたカエルは、トウキョウダルマガエルでした。ダルマガエルもトノサマガエルも背中の模様はよく似ています。大きさはトノサマガエルは大きくて体長10cm位あるの対し、ダルマガエルは5cmほどです。トノサマガエルはおっとりしていて人が近付いても逃げませんが、ダルマガエルは足音を聴けばすぐに池や川に飛び込みます。「ふる池や蛙飛び込む水の音」はダルマガエルでしょう。

2023.5.5 40年ほど前、鳥居川と千曲川の合流点付近で溺れかけたことがあります。40年経ってそこはどのように変わったか、今回は安全に陸上を歩きました。合流点近くの砂地にいたカエルを撮影しました。大きかったのでヒキガエルかと思いました。ただ、背中の模様が気になりました。撮影した写真(下の写真)を見ると、背中は保護色をしていて、周囲の景色?に溶け込んで目立ちませんでした。

その模様は普段目にするダルマガエルにそっくりです。でも、ダルマガエルよりすっと大きかったです。この写真を、両生類(カエル)専門の島田智彦先生に見てもらったら、「これはトノサマガエルで、長野盆地北部に生息しているとすると、新発見なのでレポートを書く」とのmail   が来ました。撮影時の状況を知らせたら、レポートになって私の手元に届きました。内容を見たら私の名前がトップになっていました。「観察者だから差し支えない」とおっしゃって下さったので、有難くお受けすることにしました。

レポ―では、「トノサマガエルは犀川に沿って北上し、長野盆地を縦断してここに辿りついたらしいです。今後、トノサマガエルの侵入が生物界の及ぼす変化が危惧されます。

 

 

 

 

 

 

 

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