私の本の読み方 39. 長寿期リスク
2024年12月11日
長寿期リスク 「元気高齢者」の未来 春日キスヨ著 長寿期リスクはおひとりさまよりおふたりさまの方が高いそうだ。一見、高齢になって問題がなく生活している老夫婦だけの家庭でも、ひとたびバランスが崩れると、難解な問題点が浮かんでくるという。夫が定年になった家庭では、夫は家では何もしない。夫は飲酒、多食、運動不足、あるいはフレイルで徐々に病気がちになり、一度致死的な疾患にかかると、たとえ命は助かったとしても、家庭内の仕事は全くやらなくなる。妻は夫が何とか長生きしてほしいと願って、夫には安静を強いる。妻は自分は無理をしてでも家事に勢を出す。その結果、妻が倒れて入院でもした時、子供たちが慌てて医療機関や介護施設に駆け込むのだ。
私が、開業していて、上記のようなケースを度々目にする。先のケースでも、妻たちは医療機関で家庭内の窮状を訴えることは少ない。まして介護などの制度利用をしようともしない。フレイルになるのは、男性の方が多い。世の男性は就労期を過ぎれば、何もしない人が多すぎる。食事でもがご飯やみそ汁を盛る、おかずを整える等、一切やらない。稀に、あと片づけをやるぐらいである。掃除もしない、洗濯もしない、風呂掃除もしない・・・・。妻はコマネズミのように家中駆けずり回っていて、挙句の果て疲れて病気になる。夫は認知症が進んできて、家庭生活の自立は不可能である。
私は今一人暮らしをしてみて、若いころ家庭内のことを全くやってこなかったことを反省している。何もしないくせに、家内のやることにいちいち文句をつけていた。今、身の回りのことを全部やってみて、あの頃、家内に言ったすべてが無理難題だったのだ。世の妻たちよ、言ってください。「そんな無理難題を言うなら、自分でやってみて下さい!」