私の本の読み方 40. 日高山脈漂泊行 | 市川内科医院のブログ│実験室

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私の本の読み方 40. 日高山脈漂泊行

2024年12月22日

「地図なき山  日高山脈49日漂泊行」角幡唯介著  日高山脈は北海道襟裳岬から真北に伸びる稜線であり、標高は2,000mを超える。この山脈は地味なわりに難易度が高く、よほどの山好き以外は立ち入らない。全国の山を歩き尽くした角幡は、そんな山脈に地図なしで挑むのだ。現在全国の5万図(2.5万図)はWeb.配信されており、全国の地形図は見ようと思えばどこでも簡単に見れてしまう。角幡はそれをせず、日高山脈近くの地図を検索するのを避けてきた。基本的には登山道を通らず、沢を登って主稜に挑むのだ。滝が立ちはだかって登行不能な場所は、左右どちらの斜面を高巻きして、懸垂下降で沢に下り立つ。沢の遡行、高巻きを繰り返して高みを目指す。

最初の入山は、浦河側のシュンベツ川沿いからであった。結果的に最も険しいエリアからの入山となった。険しいゴルジュと高度差のある滝が続くため、高巻きを強いられ、急斜面のトラバースが続く。そこで登頂したのがカムイエクウチカウシ岳で、そこで引き返して日高川に下山する。このような山行を繰り返して少しずつ既知のエリアを広げていく。最終的に49日間漂白を繰り返して、日高山脈全山を踏破する。特徴的なのは食料である。米だけ持って、釣りとキノコを採って食料にする。日高の渓流はサケ科の陸封魚の宝庫なのだ。魚はいくらでも釣れるので、小さい魚はリリースして、1尺以上の魚だけ取り込むというのだから羨ましい。

全巻通して自然への敬愛にあふれていて、読むのが楽しかった。角幡の最初の著作は、「空白の5マイル」だがこの本は面白かった。そのあと「アグルーカの行方」、「極夜行」があるが、時代が下るにつれ、スケールが小さくなってきたのは残念である。ただ、滋彦が残雪期に日高山脈の主稜線を踏破したことがあり、その時は下山口に置いたマウンテンバイクを盗まれるという災難に遭っている。また、新潟県の山では私は滋彦に連れられて沢登りをして、イワナを食べさせてもらった。角幡もそうなのだが、テンカラと言う仕掛けで釣る。、流木の焚火でイワナを焼いて食べる事ほど楽しいことは無い。

 

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