治具(じぐ)?
2022年10月21日

中野市内にある、光学機械メーカーを見学したことがあります。レンズの鏡胴を加工する工程で、係の人が「製品を加工するのには、まず治具を作る必要がある」と話してくれました。 「治具」って何? 「作成中の製品を、加工しやすいように保持しておく道具です」 分かりましたか?
そんなわけで、自分なりに解釈しました。写真はバイス(万力)ですが、これも治具と言えるでしょうか? アンプに基盤を固定して、半田付け作業をする準備中です。
「治具」を国語辞典で調べてみました。「ジグ [jig] 工作機械の刃物を正しくあてる働きをする道具。治具は借字」 なんと語源は英語だったのです。それにしても、うまい字をあてたものです。
今回は医学の話です。絵は心臓の絵で、開心術中の心臓です。心臓は胸を開けると下向きに付いています。心臓の裏側の冠状動脈の手術をするときは、心臓を上向きにひっくり返す必要があります。その時、心臓に吸着板の様な円盤をくっ付けて、ひっくり返して、裏側の術野を確保するのが上の図(下手な絵ですみません)です。心蔵固定具とでも言うのでしょうか?黄色に着色した道具がそれです。ピンクは心臓、赤が冠状動脈です。この固定器具を開発されたのは、心臓血管外科の先生です。。先生は、心臓を止めないで( off pump)冠状動脈の手術をされる世界的な権威です。先日のWeb.講演会で、上記のお話をなさったのですが、先生はこの器具をデバイス(device)とおっしゃっておられました。先生には失礼ですが、私はこの道具をジグ(jig)と呼んだ方がよいと思います。デバイスというと、循環器科なら、ペースメーカー、人工血管、人工弁の様なものを指す言葉だと思います。医学用語にジグはあまり使われないですが、もっと使ってよい言葉だと思います。 先生、御免なさい!!
木工シリーズでも取り上げた写真ですが、青色の工具はコーナー・クランプです。2本の用材を直角に接着するのに使われます。額づくりでも、箱作りでもなんの時でも使われる便利な工具です。治具とは言わないけど、このシリーズで取り上げました。