hFE 測定装置 | 市川内科医院のブログ│実験室

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hFE 測定装置

2022年10月21日

真空管は電圧で電流を制御する素子とすれば、バイポラー・トランジスタ(BPT)は電流で電流を制御する素子です。また、電界効果トランジスター(FET)は電圧で電流を制御します。真空管は型番さえ合わせれば、素子間のばらつきはそれほどありません。それに対してBPTはロット間、あるいは個々の製品間で特性にばらつきがあります。

真空管は特性にばらつきが少ないので、アンプを製作する人は技術雑誌に書いてるとおりに組み立てれば、それなりに良い音がします。引き換え、BPTアンプではそれぞれの素子の電流増幅率(hFE)を測定して、特製の揃ったBPTをアンプに組み込む必要があります。今回、そのhFE 測定装置を製作しました。写真、まん中の茶色い基盤です。右上の薄緑の端子についている黒い小さな長方形(よく見えなくてすみません)が被測定BPTです。(Net.で調べてこの回路を作ったのですが、うまくいきませんでした。実際に測定できたのは、別の記事の回路図でした)   一方、FETはこの様な複雑な測定回路は不要で、3本ある足のうちの2本をショートして、電源と電流計だけでIdsという数値を測って特性を揃えます。

詳しいことを知りたい方は、「hFEテスター 簡易版 高機能版」で検索してみてくださいください。 Measuring Instrumental for Audio というページです。Web.の記事はいい加減なものが多く、私は三度目の正直でこのページにたどり着きました。それまで、何度も基盤を組みなおし、かなり変わった姿になってしまいました

 

 

作り直して、最終的に採用した回路です。被測定トランジスター(TR)は、Nチャネル(2SC・・)タイプです。PチャネルTR(2SA・・)タイプの場合は、電源の+⁻を逆にします。電源電圧は、6.6Vです。B(ベース)電流を10μA流すの、決定されるR値を求めます。E(エミッター)-B電圧は一律0.6V位なので、BーC(コレクター)は大体6.0Vです。R=E/I なので、Rは600kΩです。Cは発振防止で、0.47μFのフィルム・コンデンサーです。このシンプルな回路で大成功でした。

 

 

     この写真の姿が完成版です。この装置で実際のhFEを測ってみました。被測定TRはNチャネル・タイプの2SA2458です。Ichは1.60mAですからhFEは160です。

これで、この項終わります。

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