ゆく河の流れ 2. レカネマブ | 市川内科医院のブログ│実験室

長野県中野市三好町1-2-10 TEL:0269-22-3366 長野電鉄長野線「信州中野」駅 徒歩6分

タイトル背景

実験室市川内科医院のブログ

▼ MENU

ゆく河の流れ 2. レカネマブ

2025年1月17日

昨年、製造承認がとれたアルツハイマー病の治療薬です。日本の製薬メーカーが開発したせいもあり、厚労省はかなり焦って承認した感がぬぐえません。しかも、その薬価がびっくりするほど高いのです。500㎎バイアル 11万円強、1年間で約300万円です。使用できる施設基準は厳しく、投与可能な患者は限られます。

その効果について、レカネマブを使った経験のある施設のDr,に聴きました。思った通りでした「効かない!」  「世界の製薬メーカーに後れをとってはいけない」との配慮から、厚生省が見切り発車したのです。認知症は、2015年には520万人でした。高齢化社会を迎え、その数はますます増えて行くでしょう。認知症は老化現象ですから、老化の仕組みが分からない間は、対応のしようがありません。科学がいくら進歩しても老化現象は解決しないでしょう。

いま必要なのは、認知症で困っている患者や家族の悩みを解消することです。全部とは言えなくても、今ある制度を利用しての解決は可能です。国は患者家族のそうした申し出を待っています。  患者は在宅か施設入居に分かれます。それぞれに専門家が対応できるシステムが整えられているので、気軽に相談することを望みます。  治りもしない薬にすがるより、今できる対応を考える方が先です。

 

 

pagetop