ゆく河の流れ 66 市立図書館敷地内美術館構想
2025年10月5日
近隣の飯山市(飯山市美術館)や須坂市(須坂市版画美術館、須坂市クラッシック美術館)には立派な美術館があるのに、中野市には無いので、収蔵品保管庫を兼ねた美術館の建設をかねがね希望していました。中野市民を中心とした嶺樹会と言う美術団体があり、中野市が共催する公募展 (礰珉展) が毎年開催されており、須坂市や飯山市より美術活動が盛んです。そんな中野市に美術館がないのです。
このほど市長から次のような提案がなされました。「市内、市立図書館の敷地内に美術館をつくります。この美術館には中野市出身の牧秀悟選手 (DeNAのトップヒッター) と、宮島礼史氏 (週刊少年マガジン連載「彼女お借りします(略してかのかり)」作者) の資料を展示します。設置は場所は信州中野駅近くにある市立図書館の芝生広場です。ここなら、二人の人気者の資料目当てで、観光客が沢山来館するでしょう。」
中野市出身の日本画家の菊池契月や町田曲光の作品は100年の歴史を持ちます。最近は明治の油彩画家・高杯由一の油彩が発見されました。他にも全国規模で知られた作家が沢山います。それらの偉人の作品は中野市の収蔵品となっているのですが、空調が整った収蔵館がありません。漸く美術館ができるかと大喜びしたのですが、以上の内容です。がっかりしました。
まずは設置場所です。市立図書館は信州中野駅に近く、とても静かな恵まれた環境です。建物の周囲は樹木に囲まれていて気持ちが落ち着きます。以前私は図書館長に頼まれて、敷地内の樹木を調査したことがあります。いま、手元のその資料はないのですが、特徴的な樹木が沢山ありました。図書館自体とても雰囲気が良く、市民が代わりがわり訪れていてにぎやかです。図書館の東にある広場は開放的で、子連れのお母さんや若者が、くつろいでいたりします。美術館用地なら少し離れていますが、今は防災広場になっている中野高校跡地なら土地ならいくらでもあります。ここに美術館をつくったら立派な美術館ができるでしょう。
「なんでこの場所にDeNAとかの借りの資料を展示するんだろう? 若者の観光客の来館を期待しているのでしょう。 美術館構想とはかけ離れています。現代受けするポップ(サブ)カルチャーに迎合しすぎていて、あと100年後にアーカイブとして残る価値があるか疑問です。(上記の2人の方、ごめんなさい!) 本来の美術館、収蔵庫建設計画のかわりに、このような杜撰な企画でお茶を濁してしまうのは勿体ないです。
アイキャッチ画像は久しぶりにデジタル一眼レフで撮影しました。普段使っているミラーレス(SONY α6000)をどこかに置き忘れてしまい見つかりません。しまっておいたデジ・イチ(Nikon D700) を取り出しました。使い方をすっかり忘れてしまい、あてずっぽうで撮影しました。カラーバランス、絞優先の絞値が決まらなくて、思うような写真が撮れていないことをお許しください。それにしても、デジ・イチの重さはびっくりしました。家に帰って計ったら、なんと 1.65kg もありました。約10年前までは、テントの入ったザックを背負って、デジ・イチを首から下げて、山々を軽々と登り歩いたものです。あの頃は体力があったなあ。 夕方になって、置き忘れていたミラーレスが見つかりました。同時進行でいろいろなことをやるので、時々ポカをやらかします。