ゆく河の流れ 26. あら捜し その2.
2025年6月9日
今回も、「夫を亡くして」門井慶喜作 です。 後ろから 5行目、 新聞では、「鼻腔」を「びこう」とフリガナを振りますが、医学用語ではでは、「びくう」です。(作者が誤っているのではなく、新聞社が間違っているのだと思う) 広辞苑で「びこう」項目は「鼻孔」で、「鼻腔」はない。解剖学用語では「胸腔」 「腹腔」は 「きょうくう」「ふくくう」です。新聞社では普段よく使う「鼻の孔(あな)」の意味の「びこう」を、医学用語辞典か何かみて「鼻腔」の字を当てはめて、読みだけ「びこう」にしてしまったのではないでしょうか? 「腔」は江戸時代末期以降にできた和製漢字です。幕末に解体新書が出版され、ラテン語の解剖用語を和訳する必要から編み出されました。 一方、「空」は、「くう」ですが「こう」と読めなくはありませんが・・・
「発疹」は「ほっしん」ですが、相変わらずNHKでは「はっしん」と読みます。民放はしっかり「ほっしん」と言っています。よく使われる漢字の読み方は正確にしてほしいです。他にもメディアの文句を付けたいことは、多々あります。「もの言えば唇さびし秋の風」だね。