ゆく河の流れ 59. 「させて頂く」問題
2025年9月30日
問題にしているのは私だけなのですが。 毎度、しつこいようだけど言わせて貰います。 (私は死んでも「言わせて頂く」とは言わない)
今朝のニュースで、秘書給与をだまし取った参議院議員が検挙され、議員がSNSで「司法の捜査に協力させて頂く」と言っていた。そこは「協力する」だろう。 「させて頂く」は、協力したくないけど、世の中の人が「しろ」と言ったから、仕方ないからする」との意思が見え見えだ。
最近の日本語の乱れは甚だしい。「存じあげる」「人が亡くなる」・・・・ etc. 「存じ上げる」 は、対象物(者)に敬意を表して使うのであって、聞き手を尊敬している訳ではない。 「亡くなる」は、いつの間にか「死ぬ」の丁寧語になったが、本来は尊敬語のはずです。対象が公人や身内、仲間なら「死ぬ」でしょう。自分やペットまで「亡くなる」と言う世の中・・・・ 嘆かわしい!
10/2 追記 今日のラジオ 視聴者の投稿 「木の下の方に 生った柿はハクビシンが頂いていきました」だって! 泥棒ハクビシンに敬語を使うことなんかないです。「頂くは」いつの間にか「食べる」の丁寧語になった。
今回のテーマとは違うが・・・ 唱歌「あかとんぼ」は、歌詩の中では・・夕やけ小やけのあかとんぼ・・・と歌われるが、正しい日本語は 「あかとんぼ」です。山田耕筰の故郷では「赤とんぼのアクセントはアカトンボだから・・」との好意的な見解があるが、やはり作曲者は正確な日本語にのっとって作曲してほしかった。山田耕筰は日本のクラシック音楽の草分けです。当時の作曲家は日本語のアクセントには無関心だったようです。その後、日本の歌曲はアクセントに忠実に作曲されるようになったのは喜ばしいことです。 ドイツリードだってドイツ語のイントネーションに忠実だと思います。オペラでは言語で歌われます。 あと、「ひょっこりひょうたん島」の歌名をアナウンサーはたいてい「ひょっこり・・」というが、これも違和感があります。「ひょっこりひょうたん島」が放送されていた当時、番組名は正確に「ひょっこりひょうたん島」と言っていました。 正しい日本語を話す会会長 市川董一郎