私の本の読み方 15.地衣類 ミニマルな抵抗
2024年4月20日
植物門に「地衣類」と言う分類があることは知っていたが、サルオガセぐらいしか知らなかった。(イワタケや木の幹、岩に着くカサカサの乾いたキノコのような植物もそれらしいことは知っていた。) そのような訳で今回は、「地衣類 ミニマルな抵抗」 ヴァンサン・ゾンカ著 みすず書房 地衣類は菌類と藻類の共生する生物体である。
同様に2種類以上の生物が共生するのは、海の生物のサンゴである。サンゴはクラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物である。しかしサンゴにはアピコンプレックス類という光合成する原虫が寄生して栄養を得ている。多くの生物は異種の生物と共生あるいは寄生して生命を維持している。ヒトは腸内に細菌を住まわせて栄養、免疫機能を保つ。草食動物は盲腸に細菌を住ませ、セルロースを分解する。 etc.
2種以上の生物との共生は、国際政治にとって重要な概念だし、今のLGBTqをはじめとするすべての事象に関係している。この本では、そのような観点から地衣類を述べ、芸術、文学、化学を論じてある。とても興味を持って読んだ。そんな訳で身近な地衣類を見つけて種名を知ろうとしたが、初めて見る図鑑「原色日本地衣類図鑑」 保育社 では、全くわからなかった。暇になったら、地衣類の研究でもしてみようかと思ったのだが・・・・・ やることが、多すぎていつまでも暇ができない。最近見付けた地衣類を写真だけでもお見せする。
東山の地衣類 左上はガードレールに付託していた。真ん中の一カ所で絵くっついている。地衣類は根はなくただ飛ばないように物に付着する。水や栄養葉を空中(あるいは共生する藻類)から得る。成長は極めて遅いそうだ。
箱山で 樹肌に付着する地衣類が多い。
これも箱山の地衣類である。
家の庭のイトヒバの幹についていた。地衣類が付くと樹木が弱るかと思ったが、地衣類は被付着体から栄養を吸収することは無いから大丈夫。だが、樹木が弱ると地衣類が付きやすくなることはあり得る。