徒然なるままに82. 伊福部昭語録
2024年9月5日
写真は、CD「古代からの声」のジャケット写真である。伊福部と一緒に写っているのはヴォーカルの藍川由美だ。彼女は伊福部作品にしばしば登場する名歌手である。(作曲家の西村朗が藍川の歌のうまさを褒めていた)
You Tube で作曲家の西村朗がNHK-FMで話していた話が面白かったので、紹介する。西村は東京芸大で伊福部の弟子にあたり、伊福部の含蓄のある話をいろいろ紹介していた。
「大楽必易(だいがくひつい)」 この言葉は片山杜秀の「伊福部昭」で紹介(実験室ブログ 私の本の読み方 22. 伊福部昭について 2024.8.12 )したので、それを読んで欲しい。意味は「優れた音楽とはわかりやすいものである」だ。 「論より証拠」、何でも良いから伊福部の音楽を聴けば、その意味がたちどころに分かる。
何かと、新しいものにばかり追いかけている弟子たちに送った言葉 「人の後を追いかけていては、何時まで経っても追いつかない。自分が信じるものだけをずっとやっていれば、やがて世の中が一周して、自分のいるところに戻ってくる。そうすれば、自分がトップを走っていることになる」
同じように、・・・「コメ袋を背負って道を歩いている人の例え 蓋のない米袋を背負って道を歩いているとする。道に落ちている目新しいものを拾ってはそれを手に持ち、次々とそれを繰り返していると、気が付けば(拾うたびに米袋は逆さになるから)袋は空っぽになっていて、両手にあるものはガラクタばかり・・・」
世界中の人が認める(グローバルな)ものは、究極にローカル(ドメスティック)なものを、追い求めることである。
以上の情報の出どころは、You Tube である。
最近、見たサブ・スク (You Tube &. Apple Music) で、良かったものを紹介する。 1)舞踊音楽「日本の太鼓 ”鹿踊り” Ⅳ 八ツの鹿の踊り」 伊福部昭の喜寿祝いコンサートで、伊福部自身が指揮しているのをYou Tubeでみた。汗びっしょりでダイナミックに指揮していて、そのパワーに圧倒される。(伊福部昭のポートレートは殆ど右手の人差し指と中指の間に紙巻きたばこが挟まっている。伊福部昭はかなりヘビースモーカーだったらしい。77歳で息も切らさず指揮しているが、よっぽど強い肺をしていたんだろうな!)なお、このビデオでは、演奏会場最上段にティンパニーと和太鼓、総勢 9人を配して打楽器を打ちまくるその音量が凄まじい。 「日本の太鼓」全曲聴きたい人は、広上淳一指揮「プロメテの火」の後半で「日本の太鼓」全楽章取り上げてあるので、そちらをどうぞ。 2. 「交響頌偈(じゅげ)《釈迦》」 合唱とチューブラ・ベルの音が素晴らしい。特に、Ⅲ楽章「頌偈」のフィナーレの合唱は圧巻だ。 ちなみに、頌偈とは、「経典の中で詩句の形式を用いて、仏の徳を賛嘆したり、法理を説いたもの。」(コピペです) (「頌偈」はWindows 11 では、漢字変換できません。「頌」と「偈」で探すか、手書きパッドで見つけるしかありません。その点、iMac では、「じゅげ」一発で出ます。iMac は考えていた以上に使いやすい!)