304 新聞を読んで 31. 医師免許は車の免許と違う
2025年11月6日

新聞の投書欄です。まず初めに医者になるための試験のことを話します。医学部の入学試験、卒業試験、医師国家試験は、共通の問題で受験します。これらの試験は通過儀礼みたいなもので、「試験の関門を通り過ぎなければその資格を認めない」と言う意味付けなのです。「医師国家試験に受からないような人は、試験問題以外の知識も劣っているだろうから落とす」と言うことで、欠落者を振るい落とす試験です。言い換えれば、落とすための試験なのです。
医者になって専門科が決まれば、all round な知識より、専門科の知識が必要となります。大学教授が今の医師国家試験を受けたら、果たして何人が受かるでしょうか。医学の知識は幅が広すぎて、up to date の知識を全科にわたって持ち続けることは不可能です。先日、大学時代の同窓会がありましたが、自分の専門科以外の病気の相談で持ちきりでした。みな専門科が違う医者の集まりなので、お互いに聞いたり、教えたりで賑やかでした。
勿論、医者はそれなりの知識が必要でしょう。私も、同じ年代の医者相応の勉強をしているつもりです。しかしこの年令まで開業医を続けてくると、若いころとは違った意味で、「経験、判断力、実行力、協調性 etc. が増した」と自負しています。知識だけを問う資格更新試験の導入には反対します。
運転免許の更新で問われるのは、運転技術と交通法規の理解度です。車を運転する資格があるかないかを検査します。言い換えれば通すための試験です。 (現代社会では車の免許証は必須で、車が無ければ生活できません) 一方、もし医師免許更新で、国家試験みたいなテストが実施されたら誰も受かりません。田舎ではただでさえ医者不足なのに、年した医者を試験に落としたら地域の医療は保てません。 私は医者をやって半世紀経ちましたが、医者として必要な知識や精神性は保つよう努力しています。 医師更新免許が、車の免許みたいな通すための免許なら受けても良いかもしれません。
最後に、記事中の「左右の目で色覚が異なる病気」なんて聞いたことがありません。色の見分けは杆状体のロドプシン(相称)と言う物質が働きます。遺伝的にある種のロドプシンが欠損していて色覚異常が生じるため、異常があれば両眼に及びます。余談ですが「犬は色が見分けられない」は嘘だそうです。黄色と青色は見分けられるのですが、赤色に感じるロドプシンが欠損していて、赤が認識できないです。。そういえば牛も赤が見分けられないそうです。闘牛で使われる赤い布 (ムレータ) は牛を怒らせるためではなく、観客を興奮させるためだそうです。(この記事を書くために Web を見ていたら、「牛は色を見分けられない」と書いてありました。嘘です。牛が犬と同じだと思います。 私は、最近この関係の本を読みました.そのことは、いずれ「私の本」で取り上げます)
黒と紺の色の違いが見分けにくいのは色覚の異常ではなく、どちらかの目が白内障で霞むせいだと思います。眼科に行って見てもらうことをお勧めします。医師免許更新制度が実現するまで待っていたら、白内障はますます進行しますよ。
冒頭の物をすぐ失くすのはADHD(注意欠如多動障害)です。老化ではなく発達障害(自閉症スペクトラム ASD)です。私もそうです。いつも探し物をしています。(投稿文の脈絡のなさと、私のブログの脈絡のなさは、よく似ていると思いませんか?ADHD の特徴です)
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高いところで転落しそうになるのは、高所恐怖症でしょう。
話がどんどん横道にそれていきます。 これで終わります。





















