370 祇園精舎の鐘の声 003 パンダに寄せて
2026年1月28日
上野動物園のパンダが中国に返還されたことが話題になっている。私は「パンダ外交は今の人質外交だな」とふと思った。今から40年前に、中国はパンダを重要な外交手段として、日本に貸し出した。いま日中の外交はギクシャクしているが、当時は友好の印(しるし)として貸出し、日本は友好の印として受け入れたのだ。戦国時代の人質の逆の、逆人質なのだ。逆人質は幕末の皇女「和宮」がそれにあたる。可哀そうなのはパンダであり和宮だ。時の政治に振り回された。
世間の人はパンダを「可愛い」とか「癒される」とか「元気を貰える」とか自分勝手にほめそやすが、パンダにとっては迷惑な話だろう。犬や猫も同じだ。もっともイヌやネコは有史以来ペットとして飼われてきて、生まれた時点でその役割を認識してきたので、差し支えないだろう。ウマやウシ、ゾウ、ラクダ、ロバ、トナカイ、緬羊、アルパカなどは殺して肉として食べない限りは、使役動物や体毛提供動物として人と付き合ってきた。長い間にヒトとは兄弟のように付き合ってきた。飼い主に愛情があれば動物も幸せだろう。パンダを始めとする動物園の動物たちは、果たしてしあわせなんだろうか? ハシビロコウ(院長ブログ 2019.6.21 参照)のあの哲学的な顔貌【と言うより顔の付いた嘴(くちばし)】を見ると、つい考えてしまう。





















