徒然なるままに 59. Web.site を信用しすぎないで
2024年6月4日
ウエブサイトに書いてあるからと言って信用してはいけません。私もブログを書くにあたって極力間違いがないようにしていますが、聞きかじった知識や、誤って覚えたことを書いているかも知れません。まずは、この写真をご覧下さい。
コキアです。和名はホウキギ(帚木)です。「とんぶり」をご存じですか? 普通「箒の実」として売っています。だから人はトンブリはホウキギの実だと思っています。「とんぶり」は粟粒より少し大きいくらいで、「畑のキャビア」とも言われます。一方、ホウキギはアカザ科の草本で、種子は限りなく小さいです。粟粒よりもっともっと・・・・ Web.で見ると殆どのsite で「とんぶり」はホウキギの実、と書いてあります。かの有名な、Wikipedia でさえそう書かれています。本当は、(ホウキ)モロコシの実なのです。モロコシ属の学名はSorghum です。ソルガムの名は最近よく耳にします。コウリャン(コウリャン)もこの仲間です。ホウキモロコシが実ったら、脱穀して「とんぶり」を収穫し、花茎・花柄を逆さにして乾します。先端を切りそろえて竹の棒に括り付ければ座敷箒(ざしきぼうき)の出来上がりです。ところで、(ホウキ)モロコシでもトウモロコシ(Zea mays)は別の属です。(雌花・種子のつき方が全く違うのですぐ分かります。原産地も、東アジアと南米大陸で、全く異なります。
ホウキギ(コキア)はホウキグサとも呼ばれています。私にとってはホウキグサと呼んだ方が馴染み深いです。むかしはどこの家でも植えられていて、秋になったら根ごと引き抜いて、逆さにして乾します。できたのが草帚(くさぼうき)で、庭を掃くのに最適です。先端部が短くなったら、焚き付けにでもすればエコロジーです。 私が子供の頃、母が「庭を掃け」と言って私に草帚を渡しました。私は草帚を振り回して遊んでいたら母がひどく怒って、私から草帚を取り上げて、いきなり私の顔をバチバチ叩きました。すごく痛くて、私の顔は蚯蚓腫(みみずば)れになりましたが、じきにひきました。
と言うことで、座敷帚=ホウキモロコシ=とんぶり≒ソルガム≒高粱 草帚=ホウキギ=ホウキグサ=コキア です。 木曽園原の「帚木(ははきぎ)」はホウキギだと思います。(ホウキモロコシでは絵にならない) 東山道が通じていた古代には、まだ座敷帚やホウキモロコシは日本に入ってきてはいなかったのではないかと思います。 帚木は「遠くからは箒の形に見えるが、近付くと消えてしまう」と伝えられてきました。「遠くからは見えても、実際には存在しないもの」、あるいは「はかないもの」の例えに使われました。 源氏物語の「帚木」の帖は、「空蝉」のはかなさを帚木に例えたものです。
Web.site の間違いとして、化学のアセチレンを調べていてら、関連企業のHPでアセチレンの構造式を、本来は HC≡CH なのに H≡H となっていて、しかも 「≡」 の真ん中の棒が長い変な記号になっていました。 自分たちが携わっている製品のことなのだから、HPを作る人も会社内の知識のある人に監修してもらえば良いと思います。