ゆく河の流れ 75 エイズウイルスとアルコール - 市川内科医院のブログ│実験室市川内科医院のブログ│実験室

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ゆく河の流れ 75 エイズウイルスとアルコール

2025年10月29日

全く関連のない2つの物質?ですが、「ずるい」と言うことでは共通しています。エイズウイルスはヒトの体の中で自己増殖します。通常のウイルスは人体に進入すると、人体はそのウイルスの増殖を妨げる粘液的機構を作動させます。次第にウイルス量が減って、ヒトは病気が治ります。一方、エイズウイルスが人体に感染すると、ウイルスはヒトの免疫機構を攻撃します。そのため、ヒトはエイズウイルスを排除できなくなり、エイズウイルスは人体にとどまり続けます。エイズウイルスを撲滅する薬はできないので、エイズは感染し続けます。現在でも、エイズを増悪させない薬を飲み続けるのがやっとです。

アルコールは生体にとって強烈な毒物です。皮膚の消毒に利用されている事実からも類推できます。アルコール自体にも毒性がありますが、1次代謝産物のアセトアルデヒドは、さらに強力な還元作用を有し、急性毒性、発がん作用もあります。(アセトアルデヒドは直ぐに無害な酢酸に変わりますが・・・)  もともと、アルコールは体にとって有害なのです。それが証拠に、子供の頃は酒を美味しいとは感じません。戯れに口にしても、辛くて不味くて「金輪際口にするまい」と思うほどでも、成人して酒の味を覚えるようになります。アルコールは神経麻痺作用を有し、ヒトの味覚を変えます。アルコールを飲んでいると、習慣性、依存性が生じ、徐々に飲酒量が増えます。言い換えれば、アルコール自体がアルコールを飲ませているのです。今日はこれくらいにしておこうと思っても、そこで止められない人がアルコール依存症なのです。    あなたはそれまでしてお酒を飲み続けますか?

 

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