334 ゆく河の流れ 84 禁煙の薦め - 市川内科医院のブログ│実験室市川内科医院のブログ│実験室

私の部屋からタバコ屋の喫煙場所が良く見えます。通勤時間の一コマです。　　１.～４.　は連続写真です。３. は煙を吐き出しているのが分かります。煙がたっぷり出ていて、かなりしっかり吸い込んだことが分ります。この動作をせわしなく頻回に繰り返すので、びっくりっしました。あと半日タバコを我慢しなければいけない ので、たっぷり吸いこんで、すぐ吐き出しています。出勤時間が迫っているので吸ったり、吐いたり、灰を落としたり、忙しそうでした。

私の医院では禁煙外来をやっています。受診時は毎回一酸化炭素(ＣＯ) を計ります。非喫煙者は　０～２PPM ですが、ヘビースモーカーでは、20～30　PPM に達します。写真の方もかなり高いと思います。

酸素(O2) は赤血球中のヘモグロビン(Hgb)と結合して、組織に運ばれます。酸素と結合していないHgbは赤黒色ですが、O2と結合する鮮やかな赤色に代わります。一酸化炭素(CO)は O2よりさらに強力にHgb と結合し、その時の色はさらに鮮やかな紅色です。COと結合したHbgはO2 を運ぶ力がないため、体は窒息状態に陥ります。一度、COと結合したHbgは、COを放すことができません。低濃度のCOを吸い込んでも、どんどんCO含有％が上がっていって、最後は酸素と結合したHgbが ０ % になり、体は窒息します。（低濃度のCOを吸っているだけで、CO濃度がどんどん上がっていきます）　　その結果は皆様ご存じの通りです。熾(お)き炬燵や閉め切った部屋での練炭火鉢使用で、死者が出るのはそのような理由です。COと結合したHgbの色は鮮やかな紅色で、CO中毒の死体はとても綺麗ですが悲惨です。

紙巻きタバコの喫煙者はそれの人体実験をやっているのです。当医医院でも、禁煙外来をやっています。健康保険がききますので、どうぞお出で下さい。   タバコを吸っている方でもこの事実を知らない人が多いので、敢えて掲載しました。