390 祇園精舎の鐘の声 その14. 転写
2026年2月16日

絵画の技法に「転写」が有ります。印刷物のインクをキャンバスに写す技法です。版画と同じやり方だと思ってください。したがってオリジナルとは、左右が逆転します。 グラビア週刊誌のカラーページ(左)に、油絵の具の溶き油を薄く塗って、その上に紙を置き強くこすりました。右が転写された画像です。こすり方が雑だったので汚い画像ですが、転写の原理がお分かりいただけると思います。絵にするときは転写画像をなぞるように色を塗って仕上げます。
普通に絵を描く時は、デッサンやスケッチで下絵を描くのですが、うまくなるにはかなりのトレーニングが必要です。 その手間を省くために様々な技法が生まれました。 特に大きな画面にいきなり下絵を描くのは困難です。大きな絵を描くために、あらかじめ小さな絵を描いて、それを拡大する技法が有ります。下絵に枡目(ますめ)を入れて、本画にも拡大した枡目を描き、一桝ひとます毎に、拡大して描く技法は一般的です。 日本画、特に絹本の絵画は、下絵の上に本画の白紙(絹本)を置いて、透けて見える下絵をなぞります。 最近は画像をプロジェクターで拡大して映写して、それをなぞるやり方もかなり一般化されました。私もこのやり方で描いています。
私は小学校5年と6年は町の習字塾に通いました。その塾の先生の教え方は、まず書いてみて、書けた紙を先生のところに持っていきます。先生が朱色の墨で直します。自分の机に持って帰って、先生が直してくれた半紙の上にまっさらの半紙をおいて、それをなぞって先生のところへ持っていきます。更に先生は赤字で直してくれ、また直された作品を下にして書くのです。このやり方は全く上達しなくてだめでした。仕上がった字は勢いのない、妙に縮こまった字しか書けないのです。おかげで、私はこの年になっても字は下手です。





















