私の本の読み方 1. | 市川内科医院のブログ│実験室

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私の本の読み方 1.

2022年10月28日

上の写真は最近私が読んだ本です。以前「院長ブログ」で書いたかもしれないけれど、私の本の読み方は「同時進行中」です。私はいつも寝転がって本を読みます。周りには読みかけの本が常に数冊転がっています。まず一冊、何でもいいから手に取って読み始めます。いい加減飽きたら次の本を読み、それも飽きたら次、次、と読みます。この読み方をすると、どんな厚い本でもいつの間にか読み切ってしまいます。場合によっては、字面(じづら)を追うだけになってしまうかも知れないけれど、読まないよりましです。

私が本を買う目安は、新聞(朝日、信毎)と週刊誌(週刊朝日)の書評です。中野市にはよい本屋がないので、書評を読んで買っています。上の写真は、現在読書中の本です。いずれは読み切れると思うので、読んだら感想文を書きます。あと、注文して最近届いたけれどまだ全く開いていない本が4冊、書評を見て買いたくなっている本は複数冊あります。これ以上増えると読み切れなくなるので、書評を読むのは暫くやめようかと思います。

以下に読了した本(最上段に掲げた本)の感想を記載します。

 

プリンシパル 長浦京著 :バレエ団のバレリーナの団長を「プリンシパル」と呼びますが、本当の意味を知りたくてWeb.をみました。(注:Web.とNet.の違いを知りたくて、ネット?(ウエブ?)を見ました。そうしたら、ネットはインターネットの略称で「道」の意味、ウエブは「道具」の意味、とありました。「道を見た」は変です。「道具を見た」の方がすっきりするので、本ブログではこれからはWeb.で通します。)    そのような訳でWeb.を見たら、「プリンシパル(Principal)とは、 主要な人 もっとも重要な人 という意味を表します。バレエ団のトップダンサー(主役)のことを指す以外では、あまり使われない言葉です。」とありました。 (バレエはバレーじゃないんだ。バレーはバレー・ボールだけなんだね)  という訳で、この本は「やくざの女親分」の話です。初めの方でかなり残酷な場面が出てきて辛いけど、それを凌げば後はすらすら読めます。終わり方も面白くて、つい夜更かししていまいました。反社会的なやくざの話で、話の筋は荒唐無稽ですが、内容は時代性を感じさせます。

英雄 新保裕一著  「ひでお」ではなく「えいゆう」です。本の帯には「圧巻の読み応え ぺーじをめくる手が止まらない」とありますが、その通りでした。この小説の良いところは、悪い人は誰も出てきません。そして主人公を取り巻く人たちの暖かさが心を潤します。ただ、終わり方があまりにあっさりしていて、それが物足りなかったです。

性と芸術  会田真著  (はじめにお断りしておきます。初稿で書いた記事はかなりピント外れだったので、ここに前稿を引き下げさせて頂きます。)絵画の問題作 「犬」 を描いて、SNSでその批判が炎上した釈明本です。朝日新聞に美術評論家の椹木野依氏の書評が載っていたので興味本位で読んでみました。そうしたら、同じ朝日新聞の12月24日の「書評委員が選ぶ今年の3点」で、一橋大学教授の神林龍氏が「経済紙以外では椹木野依氏の当欄の書評も併せて、この本を選ぶ。もともと饒舌な作家だが、作家自身に自分の作品にかんしてここまで書かせる社会をどう考えるかという問いが浮かんだ。」と書いてありました。     (以下追記  2023.2.15)  いま、東京都美術館でエゴン・シーレ展をやっています。以前、油絵を趣味で描いて書いている友人が、「面白いからみたら」とシーレを教えてくれました。Web.「ノラの絵画の時間  エゴン・シーレ」を見たら、かなり猥褻な絵もありますが、全体に醸し出す雰囲気は強烈でした。解説者に言わせると「シーレはサイコパス(Web.で調べて下さい)だそうです。また、シーレを教えてくれた友人は、「彼は児童性愛者で、今なら捕まる」そうです。今日の朝日新聞「天声人語」でもエゴン・シーレ展を紹介して、「彼はウィーン美術アカデミーに16歳で合格したが、ヒトラーは翌年受験して合格しなかった。その後、シーレは「露悪的で非道徳」と批判された。ナチスドイツはウィーンの近代的、前衛的な動きを「退廃芸術」と嫌った。半世紀してシーレの評価は高まったが、いま未来を生きる若者にこそ見て欲しい」と書いています。芸術と性、芸術か猥褻か、これまでも何度も論じられてきましたが、シーレの様な乾いた猥褻さを否定する人は少ないと思います。展覧会やWeb.を見る人に、前もって言っておきます。「嫌悪感をもよおす恐れがあります」と。

ガルシア=マルケス中短編傑作選 野谷文昭編著 マルケスは1982年にノーベル賞を受賞したコロンビア生まれ、メキシコ没の作家です。書評には「編訳の野中の力量が示された好著」とありました。読んでみての感想は「良く分からない」です。巻末の解説を読んで「なるほで」と思ったにもありましたが、それを読んでも分からない短編もありました。私は文芸作品を読み解く力量がないでようです。高校のころから、現代国語の成績が悪かったです。

文化人類学入門 奥野克巳著 人類学と民俗学の区別は分からないけど、私には民俗学の本と感じました。世界にあまたとある民族の差異を、「性」「経済」「宗教」から説いた本で、面白かったです。世界には私たちと、倫理、道徳、結婚観、価値観が違う民族が多々あり、いま私たちが信じているような考えは、ごく一部だと教えられました。その中で、「人は動物を搾取しないようにしなければならない」という思想のもとに、動物食品を一切口にしない「ヴィーガン主義」に反論する話題もあり興味を引きました。

山窩の民を追って  岡本綺堂他  私は旅と登山が好きです。テントを持って、幾日も幾日も山野を彷徨い歩く生活にあこがれを感じます。山窩 はつい近年までまでいた(失礼!)といいます。取り上げられた短編の中には、「渋温泉」や「高井富士」など私たちに馴染み深い地名が出てくるものもあり、興味を引きました。そして、彼らの生活ぶりはともかく、その自由奔放さに共感します。私は長距離ドライブも好きです。深夜、見知らぬ街をドライブしていると、中島みゆきの「ヘッドライト・テールライト」が、頭のなかで聞こえてきます。  🎵「・・旅はまだ終わらない・・・」 🎵

飴売り具學永 キム・ジョンス 著  関東大震災の時の朝鮮人虐殺のことは知っていましたが、被害者の気持ちで書かれた本を読んでショックでした。祖先がしたことと言え、いま私たちは謝るべきだと感じました。あの時、自分が居合わせたら、果たして虐殺を抑えられたか?自分はやらなくても、暴徒を説得できたか?自信がありません。

あとの読後感想は、別のページで書きます。次(いつになるか分からないけど)を、お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

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