私の本 54. 日本人の風呂好き | 市川内科医院のブログ│実験室

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私の本 54. 日本人の風呂好き

2025年3月13日

「風呂と愛国」川端美季著 「日本人は清潔好きだから、毎日入浴するのが普通である」と、大方の人は信じている。私はこの言説に何か胡散臭いものを感じる。Web. を見ると、外国人と比較して如何に日本人の行動が優れているか、日本の環境が清潔か・・・、めじろ押しだ。ヒトは何かと自国を自慢する。特に東アジアの国との比較が多い。  江戸時代までは、地方の住民はあまり風呂に入らなかった。幕末になって欧米人が日本の片田舎を探検するようになって、(例えば  イサベラ・バード) 日本人は清潔だが、あまり風呂に入る(シャワーも)習慣がないと記載した。明治に入って行政は人々に入浴を勧めたが、日清、日露戦争で日本が勝ったことが拍車をかけた。東アジアの人は不潔だから戦争に負けた等々と・・・。富国強兵、軍国主義が主要政策になり、学校教科書、教育勅語で直接、間接的に入浴が推奨された。国策として、入浴が推奨されたのだ。  その後、敗戦であまり風呂に入れない生活が続いたが、日本が豊かになるにつれ、再び頻回入浴の習慣が身に着いた。特に、1963年東京オリンピックをきっかけに多くの日本人は毎日入浴するようになった。(この本には書いてないが)

毎日入浴するのは、時間と水と燃料の無駄遣いだと思う。むかし子供が言っていた。「泊りの山登りをしよう」と言うと、「風呂に入れないから行かない」と、断られるそうだ。 先日の八潮市の道路陥没事故も、下水道の流量が減らなくて、トラックを救出することが出来なかった。行き過ぎた清潔主義が救出を遅らせたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

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