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私の本 60. JA共済の不正事件

2025年6月22日

JA共済 対馬の西山某が引き起こした不正事件の報告である。最終的に事件が発覚して、追い詰められた西山が車ごと海に飛び込んで自死する。「丁寧な取材が圧巻」との書評につられて読んだ。JA対馬は小さなJAだが、対馬は台風の通過が多く、その被害額も大きい。顧客に頼まれて共済金(建物共済、略して建共)の詐取に手を染めた西山は、徐々に獲得金を増やしていく。更に、顧客の通帳と印鑑を預かってニセの契約書を作り、それで共済金をだまし取る。そうして、西山は組織内でLA(Life Adviser)の資格を持ち、次々と顧客を獲得していった。JA共済はノルマがきつく、周りの職員は契約者の獲得に苦労していたが、西山は職員に顧客を紹介して、ノルマを消化させてやった。周りの職員も西山の不正に気付きながら、西山の手法に頼るようになった。

このことは、JAのトップ組織のJA全中の知るところとなったが、実績を上げている西山には何も文句が言えず、西山のなすがままにさせていた。しかし、勤務異動でトップに座った所長などの告発で、西山は追い詰められていく。西山が自死して、組織は西山一人に罪を負いかぶせて幕引きを図ってしまう。この手の事件は、巷にあふれているようだ。

最近の事件に「預金者の名義を無断で使って別の口座を作ったいわき信用組合がある。JA対馬と全く同じでないか。生命保険や共済保険業界は、新人社員のノルマがきつい。キャリアー採用、プロパー組の新人は大事にするが、中途採用や臨時採用職員には厳しいノルマを課す。新人は縁戚者に頼み込んで加入者を獲得するが、それも限りがある。新規契約者数が減ってくると、その職員は馘(くび)になる。

私が開業したころ、小学校の同級生と飲んでいて、彼が勤めていたJA共済の建共に入った(頼み込まれて入らされた)事がある。過剰飲酒が祟って彼は死んでしまったが、建共はそのまま継続していて、今も年間10万弱の共済金を振り込んでいる。JA中野本所はわが医院の隣にあり、当院の駐車場が満車の時、患者さんはJAの広い駐車場に駐車してくるので、この10万円弱は駐車場代金と心得ている。

 

 

 

 

 

 

 

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