498 祇園精舎の鐘の声 その51 人には気圧センサーはありません
2026年10月5日
9月中ずっと天気が悪く、TVでは盛んに気象病の話をしていました。心療内科医がまことしやかに 気圧の変化は人の健康を左右すると話していました。はっきり言って、人は気圧の変化を感じるセンサーはありません。ではなぜ、車で高いところに登ったり、降りたりすると耳がガーンとするのですか?と聞きたくなりますよね。これは鼓膜を挟んで内耳と外耳道に気圧差が生じるだけのことです。鼓膜が出たり引っ込んだりして耳は詰まりますが、唾をごくんと飲めば、一時的に耳管が開いて気圧差は解消されます。
気圧の変化で体調が変化するとしたら、車で海抜が異なる場所を行き来すれば皆病気になってしまいます。例えば 1 日の気圧変化が 5 hPa で気象病になったとします。5 hPa の気圧差はたった高度差 50m の地点を行き来するだけで生じます。例えば東京駅の海抜は約 20m です。中央線に乗って国立あたりが約 70m です。国立まで行ったら気象病になったらたまりませんね。気象予報士の心療内科医が、気圧差が気傷病の最大原因などと話していて、このひと、医学と気象学ちゃんと勉強したのかな?と思ってしまいます。
高山では気圧は極端に下がります。エヴェレスト山頂の気圧は地表の1/3以下です。こんな高度でも酸素マスクなしで登頂できる人がいますが、それは特殊な人です。アンジオテンシン変換酵素(ACE)という酵素があります。 ACE のサブタイプに AA Aa aa があり、 AAの人はエヴェレストに無酸素で登れます。Aa の人は厳しいトレーニングをして頑張れば、何とか無酸素で登頂できます。 aa の人はいくら頑張っても無酸素登頂はかないません。ちなみに、私の長男は、アラスカのマッキンレー山(6,194m)に、無酸素(当たり前)で登りましたが、Aa でした。このくらいの山で高山病になったら、ダイアモックスという利尿剤を飲むと治ります。最近は、ヒマラヤにトレッキングに行く人はたいていこの薬を持ってきます。





















