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445 私の本 56 日本の臨床心理士の草分け

2026年6月14日

「河合隼雄 こころの深層を探る」河合敏夫著 電子書籍(Kindle 版)         この本を読むつもりはなかったのだが、別冊NHK 100分 de 名著で、他の本を探していて、間違ってクリックしてしまったので購入した。河合は心理学に興味があり、アメリカに留学した。

河合はユング心理学を学びながら、自分流の夢解き箱庭療法を開拓して、帰国後は日本の心理学の権威になった。真言宗・華厳宗高僧の明恵の夢日記から、西洋思想と東洋思想の相違を説いた。このあたりは本書の要点なのだが、残念ながら私には心理学がよく理解できず、内容はさっぱりわからなかった。後で他の本を読んで分かったことは、フロイトは個々の心理を読み解くものだが、ユングのそれは集団の心理学的傾向を論じたものだと言う。

心理療法を施す人が有する資格は、臨床心理士と公認心理士だ。公認心理士は医学全般、特に精神医学を学んだ人を保証する国家資格だ。対して、河合がトップを務める臨床心理士の資格は民間の資格である。この辺、医者の私には腑に落ちない。もともと、心理療法って何だろう。河合によると、統合失調症、うつ病、双極性障害はカウンセリングでは治らないという。その通りだ。カウンセリングでよくなるのは、神経症、不安症、パニック障害などである。それらはわざわざ心理士のカウンセリングを受けなくても、患者の訴えを丁寧に聞いてやれる医者なら誰でもできる。逆に医学を熟知しない素人が、へんなアドバイスをすれば、患者は不治のトラウマを残すことだってある。医療は利益と不利益を天秤にかけて、重い方を選択する手法である。利益の方が優れていても、不利益は患者の生涯にわたった不利益をきたすようなら、その選択をするべきではない。

以前、私は心理カウンせリングを受けようと、心理士のカウンセリングを予約したことがある。高齢者免許で認知症の試験が不安になったのだ。高齢者免許制度が始まる前に試験的に導入されたのが、物の名前記憶テストである。本格的な導入の前の免許更新試験だったが、軽い気持ちで物の名前を記憶するテストを受けた。私は緊張するたちなので、結果はあまり良くなかった。何とか合格したが、試験官が結果を教えてくれた時、気軽に「あまり良い成績ではないね」の言葉にひどく傷ついた。3年後の高齢者認知症試験がひどく心配になったのだ。カウンセリングを申し込んだ時、そのことを話したら、「良いでしょう。治してあげますよ。ただ少し怖いですよ」と追加された。怖いことまでして、試験に備えるなんて金輪際いやだから断った。後になって、覚える物の名前は、16問あり、4つのパターンがあることが分った。16問を縦に並べると、1問から順に法則性がある。例えば 1問はヒトの体の一部、2問は楽器、3問は電気製品・・と言う具合だ。その組み合わせが、⒋パターンある、それだけなのである。この組み合わせは、認知試験開始時から、問題の項目は不変である。少なくとも、過去10年は同じ問題だ。16の組み合わせを、⒋パターンを覚えるだけで、OK !  それからは、はほぼ満点取れた。怖いことをしてカウンセリングを受けなくてよかった。試験前にWeb.から情報を受けていて助かった。

あとで、この本の一部を読み返して、気づいた。カウンセラーが患者に「カウンセリングを受けることは怖いですよ」と前もって理(ことわ)るわけが分かった。患者の不安を解消するには「その不安を起こした原因などの様々な現実に対し、勇気を持っ認める必要がある」ということらしい。その現実を「怖い」と表現するのだろう。

心理学って、医学なのか?文学なのか?少なくとも、自然科学ではないことは、確かなようだ。

 

 

 

 

 

 

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