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495 私の本 65 抜け駆けは許せない

2026年9月17日

「方舟さくら丸」 阿部公房著  ナショナリズムを開設する本の中で紹介してあるから、何かそのような分野の本らしい。難解といわれる阿部公房に挑戦したけど、やっぱりわからなかった。地中の空間(私は大谷石の採掘跡の、複雑な空間をイメージした)を方舟に見立てて、核シェルターを仲間を募って入り込むのだが、いろいろな邪魔者が現れて、最後は失敗する・・・みたいな粗筋だった。方舟と称するのはノアの箱舟の暗喩だろう。阿部公房の小説は初めて読んだが、「わざと読者を煙に巻いて難解にしているのかなあ」と思わせるほど難解だ。親しい仲間だけでうまく逃げおおせようとしても、広い世間は許さない。偏屈なナショナリズムは身を亡ぼす・・を暗示しているのかな?

阿部公房は東大医学部出身だから秀才中の秀才なんだけど、物理学に関しては勘違いしているのでは?と思われるところがあるので、ちょっといちゃもんを付けさせてもらいます。小説の最後で、地下深くに伸びた排水管を持つトイレに足を突っ込んで、水洗のレバーを押してしまったら、足が排水管に吸い込まれてしまって、抜けなくなるくだりがあります。

先生は、-1気圧で引っ張られて足が抜けないと言いたいようです。しかし、トイレに足を突っ込んで、水を流したぐらいで抜けなくなることはありません。「トリチェリの真空」という現象があります。図Aです。上端が閉じたガラス管を水で満たして、垂直に立てると水は10mの高さまで引っ張り上げられます。管の周囲は1気圧の大気でおおわれていますから、先端部の真空状態のところと管の外の圧力差は-1気圧です。

足を突っ込む前は、図Bの状態です。水はトラップのところにちょっとあるだけで、管は空気で満たされています。 図c 足を突っ込んだタイミングで水を流しても水は管の壁を伝わって流れ落ちるだけで、管の中は真空にはなりません。足は管に引きずり込まれることはありません。(うまく説明ができないけど、何とか理解してください。) トリチェリの真空の原理を使って大気圧を調べることができます。ただし、満たす液体が水だと10mもの気圧測定装置になります。不便なので比重が13.8 の水銀で満たせば、76 ㎝で済みます。昔は気圧は水銀柱の高さで表示されました。1気圧は 760mmHgです。

 

 

 

 

 

 

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