クチナシの花
2023年7月15日
我が家の鉢植えのクチナシの花が咲きました。ちょっと寂しいのですが、渡哲也の「クチナシの花」にぴったりの写真になってしまいました。「・・・♪ クチナシなしの白い花 お前のような花だった・・・」は、口数の少ない、おとなしい女性を連想させます。クチナシの花名の由来は「口無し」だと思うかも知れないけれど、実はそうではありません。
以下のことは、このブログで何回か書きましたが、私の独断的な説でどの本にも書いてありませんが、自信があります。 「蛇」は古語で「朽ち縄(くちなわ)」と言います。縄が朽ちた様子(古くなった縄の切れ端)は、蛇が木に絡みついている姿とよく似ています。 以下、旺文社の古語辞典です。「くちなは [蛇] へびの異名 参考:形が朽ち縄に似ているためという。」
上の写真を見ると、クチナシの蕾(つぼみ)は捻じれていて、木に絡みついた蛇、そして朽ちた縄を連想しませんか?「クチナシ」の上半分の「クチナワ」は、これで解決です。
次に、クチナシの、下半分のナシについてです。我が家のクチナシは園芸品種の八重咲なので、実がなりません。図鑑の写真で失礼します。日本では、樹木の果実(蒴果)を一般にナシと言います。(例えば、サルナシ、イワナシ、アズキナシ・・・etc.)
そのような訳で、「クチナワナシ」が縮まって「クチナシ」になりました。以上が私の説ですが、Web.を見ていたら私の説に近いのに・・・クチナシの果実を食べていた蛇が、古来は「くちなわ」と呼ばれており、それから「クチナシ」と呼ばれるようになった・・・と言うのがありました。ただ突然「蛇がクチナシを食べていた」などと言い出して、この話には何の脈絡もありません。さらに蛇は小動物しか食べません。(例えば、カエルとかネズミ) 木の実を食べる蛇なんて聞いたことがありません。植物名の由来を考えている人が、誰も蕾の形だと気付かないのはおかしいですね。
クチナシの実は食品の色付けに使われます。白い食品(例えば豆腐、さつま芋)なら、鮮やかな黄色に染まります。クチナシの実の色素は無害で、優れた着色剤です。