オニドコロの蒴果(さくか)
2017年9月28日
蒴果とは、薄皮の鞘が破れて内部の種子が飛び散るような形態の果実のことを言います。栃木県鹿沼市の山里の廃屋の屋根から、蒴果の集合を付けたツル性植物がぶら下がっていました。倒卵状楕円形の朔果には3翼があり、何かの園芸品種かと思うほどユニークな植物です。ヤマノイモ科の植物ですが、同じ仲間のナガイモやヤマノイモの根茎はトロロなどにして食べられますが、オニドコロの根茎は食べられないことはないけれど苦いのでこう呼ばれます。
トコロとは文献によれば、「肥厚して曲がった根茎からひげ根がでているのを、腰が曲がったひげの老人にたとえ野老(ところ)と呼び、長寿のしるしとした。腰が曲がってひげが生えたエビを海老としたことと対比している」とあります。海老→野老の関係は分かったのですが、どうして野老をトコロと読ませるのかは不明です。また、トロロ(薯蕷)はトコロが転訛したものなのでしょうか? トコロと名の付く植物には、ほかにユリ科のオニドコロ、ナス科のハシリドコロ(毒草)等があります。(今日のブログは、理屈っぽくてすみません)