休肝日は意味がない?
2016年12月29日
週刊文春の新聞広告です。字が小さいのですが、真ん中辺に「休肝日は意味がない」と書いてあります。実はこれは真実です。よく「週に一回はお酒を休みましょう」と言いますが、本当でしょうか。アルコールの肝障害の初期は脂肪肝です。この時点でアルコールを止めれば、肝臓に沈着した脂肪は減りますが、それも月単位、年単位での変化です。たった1日だけの禁酒で肝肝細胞に沈着した脂肪が減るとは考えにくいです。ただ、週に1日でもお酒を止めれば、週単位のアルコール摂取量は少しは減りますから、全く無意味とは言い難いのですが。
脂肪肝が進むと肝臓の組織がコラーゲン繊維に置き換わって、肝臓は硬くなってきます。脂肪肝は慢性肝炎から肝硬変、ひいては肝がんに進行します。肝臓は一旦繊維化が起きてしまうと、酒を止めてもよくはなりません。アルコールの肝臓に対する影響は、これまでに飲んだアルコールの総量に対応します。どうしてもお酒を飲みたければ、初期の脂肪肝をきたさない飲酒量にとどめるべきで、それは日本酒換算で1日に1~1.5合以下です。(肝臓のアルコール感受性は個人差が大きいです)