箱山散歩
2022年11月24日
久しぶりに箱山に登りました。登り口近くで、マタタビが雑木に絡みついていました。マタタビの果実は塩漬けにして食べられ、以前「栄村の道の駅」で売っていました。ネコ科の動物の大好物で、実を燻すと猫がやってきて、身をよじって喜びます。マタタビの名の由来は、マタタビを食べて「また旅」に出ようか?です。(嘘かも知れません) マタタビは梅雨のころ、葉の下に目立たない小さな白い花を咲かせます。マタタビの花は長期間にわたって咲き、雨に濡れないように葉の下に付きます。「花が咲いたよ!」と虫たちに知らせるため、葉の先端半分が白変します。さらに、花は良い香りがして虫を呼びます。
「マツ材線虫病」の病原菌の青変菌を観察しようと(院長ブログ11月11日、およびブログ実験室「線虫」参照)、山頂直下まで登りました。枯れて倒れたマツの幹を剝がしたら、このような菌糸がありました。青変菌ではなさそうですが、この写真の菌糸の青変菌も菌類(fungus)で、カビやキノコの仲間です。相全体が赤茶色に変色していますが、これは枯れてから細菌(bacteria)の影響を受けたのかも知れません。自然界は、かくも細菌類や菌類で満ち溢れているものなのです。もし、このような微細生物がいなければ、世の中はゴミだらけになってしまうでしょう。
クサギの果実で、山道に落ちていました。クサギは花もきれいだけれど、実もきれいです。ブローチにしても良いくらいです。若芽をもむと悪臭がしますが、花が咲くと甘い匂いがします。クサギは全国的に分布し、九州でも見たことがあります。どこにでもあるけれど、ユニークな樹木です。クサギの若芽は茹でて乾して保存すれば、救荒食物になります。
登り口のリンゴ畑に戻ってきました。リンゴ畑の最上段に数本の柿の木が植わっています。そのうちの一本はご覧の様な実の付き方です。「鈴」の様な小さめの柿がまさに「鈴なり」に成っていました。リンゴ園では、フジの収穫をしている農家の奥さんから、採りたてのリンゴを頂きました。