上林温泉散歩(3) 廣業寺
2019年11月10日
ここに明治時代の日本画家、寺崎廣業のアトリエがありました。寺崎廣業は秋田県の出身で、放浪の画家と呼ばれています。実力のある画家で、岡倉天心の東京美術学校に助教授として迎えられました。その後、同大で岡倉天心の排斥運動があり、廣業は天心らとともに同大を去ります。その後、岡倉天心は橋本雅邦と日本美術院を起こし、廣業は横山大観や下村観山らと共にそれに加わります。その後、東京美術学校に復帰し、実力を上げていきました。晩年は大観と並び称されるほどの大画家となり、葬儀には3,000人の参列者があったそうです。山ノ内町では児玉果亭ばかりが有名で、廣業は殆ど忘れ去られています。上林温泉における廣業の足跡を知る人も少なくなりました。