中野市立図書館
2025年11月3日

11/2 朝の散歩は普段より足を延ばして、市立図書館まで行きました。図書館の樹木は紅葉が始まり、華やかになりました。休日の朝にも拘らず、来館者が本を読みに訪れていました。図書館の前庭に美術館をつくる計画があり、いま中野市は揺れています。

1.正面の芝生広場が、美術館建設予定地です。
2.正面入り口です。こちらの紅葉はまだ早いです。
3.南面です。こちら側は様々な樹木が植えられている。年を経て大木になった樹種、貴重な灌木も多い。
4.西面です。ミズキが真っ赤に紅葉していた。
市長が突然ここに美術館と称して、中野市出身のプロ野球選手と、同じく中野市出身のコミック漫画作者の資料を展示するそうです。問題点は数えきれないほどあるのですが、一つずつ数え上げます。
A この建設計画は十分討議されていない。行政が時間をかけて説明し、市民のコンセンサスを得てから、初めて go sign が出るのではないか。今回は突然市長が市議会に議案を提出し、議員が訳も分からないうちに可決、承認されてしまった。民主主義のルールが無視されている。
B. 岑樹会などの美術団体は、40年以上前から中野市立の美術館と収蔵庫の建設を要望してきたが、歴代の市長は検討はすると確約はしても、すぐに設置に向けての検討委員会は作ってくれなかった。ただ、中野市には美術品取得審査委員会があり、高名な作家の作品を買い上げてきた。残念ながら、それらの作品を収蔵し、展示するスペースすらない。それに対して、今回の唐突な美術館の設置案である。それゆえ、市民が立ち上がったのだ。
C. 中野の文化の継承はなされてきたか? 中野には古くから文化的な素地があった。もともと中野は天領で、江戸時代から独特な地域文化が受け継がれてきた。それが美術であり、漢詩や俳句などの文化、中山晋平や久石譲をはじめとする音楽である。つい 20 年ほど前の中野には、それらを大切にする文化が脈々と流れていた。近年、中野市は軽薄な文化の発信のみが目立つ。今こそ、ビジョンを持って地域文化の継承を目指すべきである。
D. 建設地がなぜ市立図書館内の芝生広場なのか? 今の市立図書館は綿密な計画の下に設計、建築された。建設検討委員会が設けられ、先進的な他市を見学したという。庭園の樹木は樹種や配置を慎重に検討した。今から 30年ほど前、私は図書館の庭園の樹木を調査して、その多彩さと配置に感心した。いま、樹木は成長して、市立図書館にふさわしい森が形成されている。その樹木を伐採して、ちゃちな美術館を設置するのはいかがなものだろうか?
E. 展示内容が美術館にふさわしいか?コミック漫画家のと、プロ野球選手の資料を展示して美術館と言えるか? これに対しては、個人的考えがあるので私は何も申し上げない。





















