中野市立図書館
2021年2月25日
長野電鉄信州中野駅の南にある、中野市立図書館はとても雰囲気の良い施設です。私が子供のころ(昭和30年頃)は、この辺りはだだ広い原っぱでした。原っぱの真ん中に直径2メートルもあるかと思われる古い大きな井戸がありました。簡単な木の蓋がしてありましたが、中を覗き込むとはるか下の方に水面が見えてとても怖かったです。
戦争中までこの辺りに何かの工場があったらしいのですが、それが何だったかはっきりしません。終戦直後、私たちはここを「タンパン」と呼んでいました。今から思えば「タンパン」は「単板」の事で、奥志賀高原から切り出されたブナ材を加工する工場だったと思われます。終戦まで単板や合板を製作する大きな工場が、私の記憶にある昭和30年ごろには跡形もなく姿を消し、そこは広い原っぱに変わっていたのは不思議です。私が想像するには、もしかしたら戦争末期にジュラルミンや鉄などの金属が不足して、特攻隊員などが乗る飛行機、あるいは人が操作する魚雷などの兵器を作るのにブナ材が使われたのではないでしょうか。終戦になり、ここに合板作成工場があったことを連合国側に知られることを危惧して、慌てて工場を解体したものでしょうか。(深読みし過ぎかも知れません。資料を調べればわかることだと思いますが・・)