2602 真空管も高くなったものです
2025年12月30日

ふるさと納税の返礼品です。この真空管 2本でなんと 587,000 円です。最近の high end のオーディオ製品の値段は、目玉が飛び出ます。一方、パーツ自体の値段も天井知らずです。少なくとも、アナログの世界では昭和30年以降、進歩は殆どありません。当時、10,000 円で作れたアンプは、今はガレージ・メーカーで1,000,000 円ぐらいします。例えば、ここに掲げた TA-2A3 を2本使ったアンプは、多分 その位になるでしょう。

私がずっと前からもっていた UX-2A3です。大学3年生の時(1968年)から持っています。当時もうじき取り壊される予定の校舎を使って、信州大学の総合美術展を開きました。会場は松本市内の廃校になった小学校です。この真空管は、放送室にありました。放送機器は埃まみれで放置されていました。大きな小学校だったので、学校放送のアンプは本格的なものでした。2A3 ドライブ トランス結合 2本の出力管 PP でした。普通のアンプでは、ドライバーに 2A3 などの強力な真空管は使いません。全校に学校放送の信号を高音質で伝えるためには、このような強力なアンプが必要だったのです。
私はこの頃から オーディオに目覚め、アンプを作り始めていました。くず鉄で捨てられるアンプの命を救ってやりたくて、この 1本の 2A3 を抜き取りました。2本の出力管は、すでに抜き取られていました。
もう、この真空管を使ってアンプを作ることは無いと思います。ふるさと納税金額からすると、この真空管は 1本 293,500 円 と言うことになります。真空管をよく見ると、私の球(UX2A3)の方が造りが丁寧です。三極管構造が2組あり、真ん中でプレートが繋がっています。この球は昭和20年代に作られたもので、価格は 1,000円以下だと思います。もっとも、当時の1,000円は、今の10,000円ぐらいでしょうか? メーカーはマツダ 今の東芝です。大メーカーの製品は優秀でした。一方、終戦直後は弱小メーカーの真空管があふれていました。少し使っていると、すぐにぼけました。その点、この球は心配ないです。この球だけでアンプを作るとなると、小出力で、しかも片chなので使いようがありません。





















