ヒトはどうして熱中症になる?
2023年8月29日
暑い日が続きますが。今日も午後3時を過ぎたのに、気温は33度もあります。ところで、ヒトは何故熱中症になるのでしょうか。ヒトは体温が38度を超えると、体内の遺伝子やタンパク質がうまく作用できなくなります。それが熱中症です。
体温が36度を下回ると、逆の理由で低体温症になります。寒くなれば人は服を重ね着したり、筋肉を痙攣させて体をブルブルして熱を生じさせます。一方、ヒトは積極的に体温を下げる作用は弱いです。せいぜい汗をかいて、体温を下げるくらいしかできません。近年の地球温暖化のもとでは、低体温症より熱中症のほうが起きやすいのはそのせいです。
汗はほとんどが水でできています。身体を湿らせて風を当てれば、蒸散熱が奪われて体温が下がります。積極的に体温を下げるには、水をかぶることです。プールに入るとか、水道のシャワーを浴びるのも有効です。一方、獣(けだもの)は毛が生えていて、しかも汗腺がないのにあまり熱中症に罹りません。イヌやネコは暑くなると、息をハーハーさせて熱を逃がします。
高温は発癌の引き金になります。ヒトの睾丸は多量の精子を作るため常時発熱しています。睾丸が、何かの理由で腹腔内にとどまると、睾丸が高温になり癌化します。赤ちゃんの睾丸がきちんと体外に降りていないかは、乳児検診の時医者がしっかり確かめます。降りてきていなければ手術します。
以上、恒温動物のことを書きましたが、変温動物のことを書きます。カエルやヘビは気温や水温に応じて体温が上下します。最適な温度はその動物で異なりますが、高すぎや低すぎの時は活動力が低下します。過剰の低温や高温は生命を損ないます。「ゆでガエル」と言う言葉があります。「周囲の環境が変化しても、それに慣れてしまって反応しないうちに、取り返しのつかない状況に陥る」ことです。いくらのんびり屋のカエルでも、お湯になる前に飛び出すでしょう。