熱中症と脱水症 | 市川内科医院 院長のブログ│休憩室

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熱中症と脱水症

2023年7月31日

暗い写真ですが、ガラス・コップに入れた水道水(お酒ではありません)と団扇(うちわ)のつもりです。暑い日が続き熱中症の死亡が連日報道されています。どうやったら死なないで済むか?ここで、改めてまとめておきたいと思います。

熱中症は何度か経験しました。最初は小6のころの、夏の暑い日のこと。私の家はゆるい坂道の途中にあります。坂の下の友人宅で遊んでいて、私の家の上にある店へ買い物に行きました。その友人はやたらと体力があって、すごいスピードで自転車をこいで坂道を登っていきます。負けじと私も必死で走ったのですが、私の家に近付く頃、私は頭の中が真っ白になって、気持ちが悪くなって家に駆け込みました。涼しい所で休んでいたら、間もなく意識が戻ってきました。

35歳のころ、妙高山に登りました。その夏は毎日泳いでいたので、体力には自信がありました。若さに任せて飛ばしたら、山頂がに着いたらおかしくなりました。フワフワして全く体に力が入らないのです。30分ほど休んで下山にかかったのですが、ザックを背負って立ち上がった途端、膝に力が入らず倒れてしまいました。同じようなことが、南アルプス北岳、戸隠山でも経験しました。その頃は、ただ体力がないためだと思っていました。今から考えたら、熱中症だったようです。

ある夏、沢登りをした時でした。水流に入る前の河原歩きで炎天下の日差しにやられ、フラフラになってしまいました。もう歩けないと思ったその時、滋彦が水に飛び込んだのです。私も負けじと胸まで水に浸かったら、急にシャキッとしました。そうか、熱中症は冷やせば良いんだ。

スポーツ中の熱中症は、頭からバケツの水をかけてやれば良いのです。荒っぽいと思ったら、とにかく団扇で扇ぐことです。熱中所の予防には水分を補給するように言われていますが、いくら水分を吸収しても汗が出なければ体温は下がりません。副交感神経優位の状態でなければ汗は出ません。熱中症の治療には水分接種も大事ですが、風をかけて体温を下げることが大事です。夏山では団扇は必携です。これで命が守れるのですから、安いものです

一方、脱水症は血液中の水分が消出する状態です。その時、ただ真水だけ飲んでも、脱水は治りません。水分は小腸で吸収されるのですが、補給水に電解質や糖分が入っていないと吸収が悪いです。最近、その意味でスポーツ飲料、経口保水液が発売されています。スポーツしないとき使うと、カロリーオーバーや塩分過剰摂取になりやすいので、私は食事の時に牛乳や真水を補うようにしています。

気付かないで脱水症になっていると、私は筋クランプ(手や足のケイレン、いわゆる筋肉がツル状態)になり易いです。最近、大リーガーの選手(大谷翔平)が試合中に筋クランプで途中退場しましたが、これは脱水症からくる筋クランプだと思います。(トレーナーの診断で、翌日の試合に普通に出ていました) 私は、夜寝る前にあおむけで本を読んでいて、両前腕、両手指がつります。慌てて水を飲むとすぐ直ります。

 

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