フレイルとサルコペニア | 市川内科医院 院長のブログ│休憩室

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フレイルとサルコペニア

2024年1月19日

アイ・キャッチ画像はダンベルです。ゴルフの球が飛ばないので、腕力を付けようと5kgのダンベルを買ったのですが、重すぎて持ち上がらないので、2kg のを買いました。これで、ちょっとばかり運動していましたが、いつの間にかやめてしまいました。他に、握力を付ける道具とか、足首に付けて下肢の筋力を鍛える錘(おもり)などを買いましたが、いずれも長続きしませんでした。筋力や体力を鍛えるのは根気がいることです。

最近、高齢者の体力低下が問題になっています。寿命が延びたのに、体力がない高齢者が増えて、平均寿命の延長が頭打ちになっています。生活が近代化して、歩かずに車に頼る人や、力仕事をしない人は、体の筋肉量が減ってきます。この状態をサルコペニアと言います。70歳代の何もしない人は、若いころの筋肉量の半分に減るそうです。歳をとってタンパ質の少ない食事もその原因です。歳を取ったら、炭水化物より良質のたんぱく質を摂取する必要があります。

サルコペニアが高じると、床から立ち上がれない、歩行速度が遅くなる、嚥下が上手にできない・・・、だんだん動作が緩慢になります。病気がちになり寿命が縮みます。この状態がフレイル(虚弱)です。サルコペニアとかフレイルの概念は最近になって出てきました。昔からあったけど、私が知らなかっただけかもしれません。

今から50年ほど前、私が医者になったばかりの頃、フレイルと思われる患者さんを診たことがあります。その方は高齢の男性でした。がりがりにやせていて、自力で立ち上がることも、歩くこともできませんでした。食事は殆ど受けつけませんでした。いろいろな検査をしましたが、血液中のたんぱく質の量が少なく、貧血が有るだけでした。病名がはっきりしないまま、亡くなってしまいました。病理医に剖検して貰ったのですが、腸が紐みたいに細く、内臓全体が委縮している以外、何も所見がありませんでした。結局、病理の先生も診断がつかず、結果はうやむやになってしまいました。(病理診断がつかない、と言うことは許せないのですが、当時、フレイルとかサルコペニアと言う概念がなかったので、仕方がないことです)フレイルと言うのは、恐ろしいです。それだけで、ヒトは死ぬのです。

何もしないでいると、年をとるだけで自然に体力は低下します。タンパク質は努めて摂取するようにしているのですが、それだけではだめみたいです。昨年は膝関節痛と腰痛症で以前よりあまり山に登りませんでした。雪が降ったので、スキーを始めたのですが、筋力(体力)の低下をひしひしと感じています。スクワット、腹筋運動、腰痛予防運動、ひざ痛予防、尿道括約筋強化・・・日課にしなけばならないようです。因みに、私は78歳です。

 

 

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